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タルタロスオンラインにおける萌えを綴る場所。
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今日はこれ出すまでログインしない!と決めてましたが、漸く完成。
では、どうぞー。


◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆

罠と葛藤と

 

主従の契りも交わしてしまってから数日。
アエルロトの奮戦もあって、クロモドは順調に力をつけ、成長の契約満了の日を迎えた。
この日、アエルロトは最後の数分に至るまで、少しでも多くの経験をクロモドに付与しようと、時間との戦いを繰り広げた。
そして、その日のうちに『……強くなりたい。せめて、最後まで立っていられる程度には』というクロモドの願いは叶うのである。

 

遠征隊一行はカバーシャードに居た。
この日の任務は森で迷子になっているタロの保護。
なんとかタロを見つけ、タオともどもタロを護衛する流れになり、クロモドはなんとなく前方の敵の処理はアエルロトに任せ、自分は護衛対象の二人の傍で待機していた。
それが功を奏して、アエルロトの方には総大将が、クロモドの方には雑魚の増援が押し寄せ、クロモドは日頃の狩で身につけた立ち回りを活かし、倒れそうになりながらも懸命に戦った。
思わず『アエルロト!早く私を助けないか!』と叫びそうになった瞬間、全ての敵の気配が消えた。
タオの『全て終わったんじゃ』という一言で危機が去ったのを知り、体から力が抜ける。
それを見てアエルロトはクロモドに駆け寄り、倒れそうになる彼の体を左腕で支えた。
「クロモドさん、大丈夫ですか?」
「…あぁ、なんとか―いや、私は大魔法師だからな。この程度で倒れたりはしない。」
半ばアエルロトに体を預ける形になりつつ、そう返す。
思いがけずに触れたクロモドの体は予想よりも細く、アエルロトは『もう少し体力を底上げしてやらねば』という使命感に燃えた。
クロモドを抱いたまま、癒しの術法を使う。
「とりあえず、ありがとうと言っておこう。」
「いえいえ。こうしてあなたを守れることが、私の喜びですから。」
満面の笑みで返され、クロモドは頬を染めて俯く。
「傷も癒えたし、もう一人で立てるんだが。いつまでこうしているつもりだ?」
その言葉は、裏を返せばそれだけ彼にも負担をかけてしまったということでもある。
ここは大事を取って、クロモドを姫抱きで帰るべきだろうか。
そんな考えが頭を掠めて行くも、アエルロトは素直に手を離してクロモドに告げる。
「確かに、傷は癒えたかもしれませんが―あまり無理はしないでくださいね。私は他の方の救護をしてきますから。」
倒れているソーマに歩み寄って傷を癒すアエルロトの後姿を見つめつつ、クロモドは彼の手があっさり離れたことが気に入らず、苛立っていた。
(いつもなら『過保護だろう』というくらいに私にベッタリなのに…!)
そんなクロモドの視線を感じながら、アエルロトはソーマを助け起こす。
「あ、ありがとうございます。」
「フォローが至らなくて、すみません。お一人で歩けますか?」
という言葉を聞いて、クロモドはアエルロトがソーマを背負うなり肩を貸すなりする様を、後ろから見つめつつ歩いて帰る自分の姿を想像し、ぐっとロッドを握り締めた。
「歩けないなら、アルポンスに運ばせるが?」
クロモドの目が据わっているのと、背後に不穏な空気が漂っているのを感じ、ソーマは慌てて立ち上がる。
「だ、大丈夫です!お気遣いなく!」
(クロモドさんはアエルロトさんが他の人と一緒にいると機嫌悪くなるから…二人っきりにしておこう)
そう思い、ソーマは『クロモドさんはアエルロトさんにお話しがあるみたいだし、僕は先に戻りますね』とだけ言って、タオとタロを連れて帰った。

二人きりで取り残され、しばらく沈黙が続く。
しかし、それが気まずいものでなく、心地よい静寂に感じるのは、良好な関係を築けていることの証だろうか。
「アエルロト。」
「クロモドさん。」
ほぼ同時に相手の名を呼び、どちらが先に話すかで暫し譲り合いになったが、クロモドは宿に着いてから言うとの事で、アエルロトが口を開く。
「クロモドさんは、お一人で歩けますか?」
ごく自然な口調で問いかけられ、クロモドの心は揺れた。
(嘘を吐いてでも、その言葉に甘えたら…いつもよりもっと―いや、しかし!年下に甘えるなどと!!)
そんな葛藤を知ってのことか、アエルロトは苦笑しながらクロモドを姫抱きする。
「大方、プライドが邪魔をして『年下に甘えるなんて』などと、正直に言えなかったんじゃないですか?」
「なっ……な、何故わかった!?」
思わず叫ぶも、アエルロトは苦笑交じりに『私がどれだけあなたを見てると思ってるんですか』と返して歩き始める。
視点を変えれば、それはクロモドが隠し事も出来ないほど、アエルロトは常に彼を気にかけているのだということである。
その事実に気付いて、クロモドはほんの少し、アエルロトの胸元に擦り寄ってみる。
それが甘えてくれているように思えて、アエルロトの口元に笑みが浮かぶ。
(本当に可愛い方ですね…)
「先程、殺気立った目でソーマさんを睨んでましたが…妬いてくださったのですか?」
不意の質問で動揺を隠せず、クロモドは視線を泳がせながら返す。
「じ、自意識過剰だろう!私は―」
それ以上は言葉が続かなかった。
何故ならば、自分以外のものに関心を向けて欲しくない、と思うのは事実だったから。
意識してしまうとアエルロトの顔をまともに見られず、目許まで赤く染めつつなんとか顔を隠そうとする。
そんな仕種も可愛くて、『このまま宿に戻らず、彼を攫ってどこかに逃避行しようか』などという考えが頭を過ぎったが、すぐにそれを否定して宿に急ぐ。

宿の割り当てられた部屋に着くとアエルロトはそっとクロモドをベッドに下ろす。
「さぁ、クロモドさんのお話を伺いましょうか。」
「………ん。契約が満了して、私の望みも一つ叶ったことだし、特別褒章を出そうかと思ってな。こっちに来い。」
招かれるままにクロモドに近付くと、彼は自分の隣を叩く。
アエルロトが隣に腰を下ろすと、クロモドに顎を掴まれた。
『何をしたいのだろう』と考える暇もなく、普段のクロモドからは想像できない速さで、アエルロトがクロモドにかけた『魔法』をそのまま返される。
「!?」
これまで契約期間内のキスも、指や頬だったので、アエルロトの喜びも一入である。
離れていこうとする彼を抱き締め、驚いたのか微かに開かれた口に舌を差し入れ、より濃厚な口付けを繰り返す。
一方クロモドは完全にアエルロトに翻弄され、未知の行為への恐怖や初めての快楽に飲まれそうになり、息苦しさからアエルロトの胸を何度も叩く。
そこで漸く自分の余裕のなさに気付いたアエルロトはゆっくり唇を離し、クロモドの様子を窺い、生唾を飲み込んだ。
ほんのりと色付いた目尻、潤んだ瞳、溢れ出る生理的な涙、どちらのものとも知れぬ透明な糸を滴らせる口元、浅い呼吸を繰り返し、忙しなく上下する肩、完全に力が抜けてしまった様子の体など、どれもアエルロトの中に眠る雄の本能を刺激する。
しかし、無知な彼をいつものように、セクハラ同様に罠や嘘で手篭めにするような真似はしたくなかった。
「クロモド、さん……。」
(これ以上は、まだ――あぁ、でも…)
アエルロトはそのまま彼をベッドに寝かせ、『先程はすみませんでした。少々頭を冷やしてきます』と書置きをして部屋を出る。

流れ落ちる滝に打たれたら、少しは落ち着くだろうか。
そんなことを思いつつ、アエルロトは滝を見ながら呟く。
「この先に進むには、少しずつクロモドさんにもお勉強していただかないと。『流されるままに』ではなく、きちんと知った上で、クロモドさんの許しを得ることが出来たら、きっと私は―」
続く言葉は滝の音にかき消されていった。

 

◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆

楽しみにしてます、と言われてテンション上がって。
もう、『罠と成就と』ってタイトルでくっつけちゃおうかとも
思いつつ、まだ先送りしてみる…
二度目の契約ネタもあるし、なんか勿体無い気がして(まて
 

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無題
by 源ハネネ URL 2010/08/23 18:34 編集
やっと全部読み終わりましたああ!
慌てるソーマに、不覚にも噴出しました。
    
∑!?
2010/08/23 22:29
超個人的に神と崇めてる方がいらした…だと…
な、なんか短くまとめられなくてすみません!
楽しんでいただけたなら光栄でございます。
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