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タルタロスオンラインにおける萌えを綴る場所。
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駆け足で迫りくるハロウィンの気配に怯えつつ、これが
ハロウィンネタの伏線に使えると判断したので…
身内で盛り上がった『28歳大魔法師、好物はプリンv』を
出してみる……

あ…石は投げないでください、お願いします…

World is …?



最近は急激に冷え込んで、朝になってもベッドから出るのが辛い、と感じる今日この頃。
しかしながら、そうも言ってはいられません。
クロモドさんのお世話もまた、私の大切な日課の一つですし。

私はその日もいつものようにクロモドさんを起こそうと、そっとクロモドさんが眠るベッドに歩み寄りました。
「クロモドさん、起きてください。朝ですよ。」
最初は優しく声をかけて様子を見ます。
しかし、今日はいつになく反応が鈍く―。
体調でも崩されたのかと思い、ハラハラしながら待機すること数分。
全くリアクションがないので、流石に心配になって来た頃、とても小さな掠れ声が耳に届きました。
「アエ……ト……。」
「クロモドさん?」
ここは宿の二人部屋で、例によって私はクロモドさんと同室なのですから、考えるまでもないことです。
しかし、その声は普段のそれとは違い、とてもセクシーな―あ…いえ、何でもありません。
私は体を起こそうとする彼に手を貸しました。
その間もクロモドさんは何度も咳き込み、喉に手を当てながら私の方へと手を伸ばし、キュッと服を掴んできます。
(まさか、風邪…!?)
ここのところ夜遅くまで読書に熱中されてたようですし、私も単独行動で帰りが遅かったため、世話を焼けない時間があったのは事実ですが、日頃からクロモドさんの体調管理には気を使っていたつもりですのに!
そう思った瞬間、彼の苦しそうな瞳が私を捉えました。
「……る、ろと……苦っ…し…。」
―――彼がこんなに素直に弱音を吐くとは…よほどのことだろうと判断し、私はクロモドさんの背中を優しく擦りました。
「わかりました。すぐに喉に良い物をお持ちしますね。あぁ、それから…今日は一日ゆっくりお休みすることを約束してください。」
彼が一瞬寂しそうに瞳を潤ませた後、こく、と頷きました。
とりあえず、遠征隊の皆さんに協力して頂き、クロモドさんに風邪薬を飲ませて寝かしつけて。
完全に眠りに落ちるのを見届けて、私は厨房に向かいました。

厨房を拝借して『クロモドさんが早く回復するように』との願いと愛情を込めて作るものは―。
放浪中に作り方を覚えた、プリン。
とある地方では『病人にはプリンを与える』という対処法もあると聞きますし…喉越しも良いので、きっと食べられるはず。
一応、遠征隊の人数分も用意し、クロモドさんの分には生クリームも添えてみました。
他の方は後回しにして、まずはクロモドさんに食べて頂かなくては!

一応ノックしてから、静かに部屋に入ると―薬が効いたのか、呼吸も楽なったようで。
胸を撫で下ろし、クロモドさんの寝顔を覗き込むと、涙の跡に気付きました。
そういえば、先程もひどく寂しそうな顔をされていましたが…あれは体調を崩して、心も弱っていたせいであって、人恋しくなっただけ……ですよね。
あまり可愛らしい言動をされると…期待してしまいますよ?
未だ伝えることの出来ない想いを持て余しながら、私はクロモドさんを起こしました。

私はまだ体調が万全の状態ではないせいか、ほんのりと色付いた彼の頬に触れながら、プリンを勧めました。
『これはなんだ?』とでも言いたげな視線を受け流し、微笑みながら『栄養価が高くて喉越しも良いものですから、食べてみてください。私の手作りですから、味の補償はできませんが』と告げれば、目を見開いて。
小さく頷いてプリンを口に運んでは、幸せそうな笑顔を見せる彼が愛しくて堪りません。
抱きしめたい衝動に駆られます。
しかし、実行してしまえば、今までの関係ではいられないでしょう…。
プリンを食べ終えると、そんな私の葛藤などお構いなしに、彼は私の腕を引いてベッドに座らせました。
「今の私は病人だから、多少の我が儘は許されるだろう?」
少し顎を引いて、拗ねたような上目遣いは反則でしょう…!
そんな動揺を表には出さずに『なんでもどうぞ』と返すと、クロモドさんは俯いて。
「……あんたはいつも忙しそうに動き回って、夜も遅くまで単独行動してるだろう?せめて、今日くらいは私に独占させろ。」
そう言って、震えながら私の腕に抱きついてくるのです。
「大丈夫です、今日はずっとクロモドさんの傍に居ますから…。」
そっと頭を撫でると、彼は瞳を潤ませながら『信じられない』といった表情でした。
「…こんなに簡単に願いが叶う上に、こんなに美味い薬もついてくるなら―たまには病に伏せるのも悪くない、か。」
呟かれた言葉が聞き捨てならず、私も負けじと反論しました。
「私が至らないせいとはいえ、どれだけ心配したと思ってるんですかっ。」
「元はといえば、あんたが悪いんだ!顔を見るまで安心できないから、と読書に耽って時間を忘れた振りをして待ってるのに、帰ってくるのはいつも深夜で…私だって心配し――」
そこまで一気に捲くし立てると急に黙り込み、クロモドさんは耳まで真っ赤に染めて…。
…今なら許されますよね。
「いつも見ておりましたのに…そこまで想われていたとは、私も見抜けませんでした。」
私はクロモドさんを抱きしめ、耳元に唇を寄せました。
「風邪など引かずとも、手作りのお菓子くらいはいつでも振舞いますから…私も注意しますし、いつもの元気なあなたで居てください。」
囁き終えると頬に口付けて、真っ赤になってふるふるしている彼と視線を合わせます。
「約束…していただけますね?」
微笑みながら問いかければ無言で頷かれ、ホッとした瞬間―

「…なんで?他の皆が風邪引いたときは苦い薬だけなのに、なんでクロモド先生にはプリンが付くの!?これ、絶対贔屓だよー!」
そんな叫びが耳に届きました。
まぁ、否定はしませんがね。
暴動が起きる前に他の皆さんにもプリンを出しますか。
「大変だな。」
どこか他人事のような口調に苦笑しつつ、ちょっと行ってきます、と告げて部屋を出ました。
明日クロモドさんが元気になったら、何を作ろうか…と考えながら。



◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆

モドスキーさん達とガマのチケット消費の際、4モドになりまして。
プリン好き大魔法師ってどうですかー?とネタを振ったのが発端?
その時のメンバーに文章書く人が私以外にも居て、それぞれ
バルモド・ロトモドでプリンネタを書く!というお題が…

どういう展開にしたら、クロモドさんが素直にプリン食べてくれるかを
考えたら、こうなった。
反省はしない。

…しかしながら『28歳大魔法師、好物はプリンv』というこのネタ…
皆さん異口同音に「やだ何それ可愛い」の一言でした。
しかも、プリンネタは他にも広がりを見せ―
いっそ、プリンネタシリーズというカテゴリ作るか?という勢い。

あの時ご一緒してくださった方、これでよろしければお納めください。

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ぷりん・・・
by ロゼ 2010/10/30 18:29 編集
初書き込みをば・・・お邪魔しますね

大魔法師が殺人的に可愛らしかった!
この一言に尽きるかと ロト氏の愛情たっぷりプリンも良かった素敵・・・
クロモドさんが可愛いし、ロト氏も私の大好きな感じでもうお腹いっぱいですプリン買って来ます
ゲームの中じゃいつも感想言えないからここに来た・・・恥ずかしいのかなぁ;

素敵なお話とときめきをありがとう またね
    
Re:ぷりん・・・
2010/10/31 21:40
いらっしゃいませ、初カキコありがとうございます。
大魔法師そんなに可愛かったですか!
脳内ロトというフィルター通してはいるものの、
確かに通常の3割増くらい可愛かったかも?
ロトに対する温かい言葉にも感謝です。
うちのロトは執事ネタもある為、家事はバッチリ
なのです。
ロトの愛情たっぷりプリンはその副産物。
自分では良くわからないけど、モドさんもロトも
お気に召したようで、幸いです。
プリン…買いに行く切っ掛けになってしまいましたか。

計 画 通 り(何

こちらこそ、感想ありがとうございました。
またどこかにご一緒してください。
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