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タルタロスオンラインにおける萌えを綴る場所。
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締めで悩みつつ、誰かに相談したくて…
ログインを試みるも、鯖に接続することすら拒否されて
数時間とか。
でも、約束は破ってないよね!

では、続きをどうぞー。

◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆

罠と教育と

 

ルコの一件から数日。
いつまた笛吹き男の襲撃があるかわからないのを口実に、アエルロトは狩以外の時間は常にクロモドの傍に居るように心掛けていた。
何故ならば、彼の実力は魔法に弱いシュバルマンにとっては、一撃だけでも致命傷になりかねないのだから。
その点、笛の音に耐性のあるアエルロトならば、クロモドを傷付けることなく止めることが出来る。
そのメリットを強調して、補給時もクロモドと手を繋いで出かけるうちに、クロモドも恋人繋ぎに抵抗を示さなくなった。
そろそろ次の段階に進むべく、アエルロトはあれこれ思考をめぐらせるのであった。

そんな折、カバーシャードでは、じっとしていても汗が出るような、そんな不快指数の高い日が続いていた。
外に出るのも億劫になるほど、容赦なく照りつける太陽が憎らしく思えて、クロモドは深い溜息を吐く。
「…こんな日にも狩に出るなど、なぜアエルロトはピンピンしてるんだ…。」
あまりの暑さに耐え兼ね、クロモドですらコートを脱ぎ、ノースリーブで過ごしているほどである。
黒尽くめの彼の服装からいって、相当暑いはずなのに―。
アエルロトは愚痴一つこぼさず、毎日狩に出る。
それが自分の為だと知っているから、クロモドも『今日一日くらい休んだらどうだ?』とも言えないのだ。
(たまには労いの意味も込めて、優しくしてやらんと罰が当たるか)
『待機している時間は、長く感じるものだ』というのを身をもって知りながら、クロモドはベッドに身を投げ出し、アエルロトの帰りを待つ。

しばらくして、アエルロトは宿に戻った。
『今日は特に暑いから』と、部屋に行く前にクロモドと自分用にアイスティーを用意する。
「クロモドさん、ただ今戻りました。」
声をかけてから部屋に入り、テーブルの上にそれを置くと、クロモドの様子を見て言葉を失った。
普段はきっちり着込んでガードが固い印象の彼が、暑さで半眼になりながら肩や二の腕を晒しつつ、ぐったりする姿は―アエルロトの雄の本能に訴えかけるものがあった。
『彼の無知に付け込んで、手篭めにすることだけは―絶対に避けねばならない』という鋼の意思も微妙に揺らぐ。
しかし、そこはグッと堪え、笑顔の仮面で本心を包み隠しつつ、クロモドに手を貸して体を起こしてやる。
「クロモドさん、体調はいかがですか?アイスティーを用意しましたので、よろしければどうぞ。」
「………ん…アエルロト…?あぁ、そうだな。遠慮なく貰おう。」
クロモドのぼんやりとしていた瞳も、アイスティーを飲むうちに鋭く理知的な眼差しに変わっていく。
しかし、アエルロトの視線はクロモドの口元や喉の動きに釘付けで、思わず生唾を飲み込んだ。
煩悩や雑念を振り払おうと、首を左右に振り、アエルロトは一気にアイスティーを呷るとグラスをテーブルに置いた。
「野暮用が出来ましたので、出掛けて来ます。夕方までには戻ると思いますので。」
クロモドの顔も見ずに、アエルロトは一方的に告げると足早に―逃げるように部屋を飛び出す。
「……え?あ、待て、アエルロト!」
慌てて追いかけるも、アエルロトは宿を出るとどこかに走り去ってしまった。
クロモドはアルポンスを呼び出し、追跡を続行する。
どうやら行き先は滝らしく、行く手を遮る敵を次々と打ち倒し、凄まじい勢いで突き進むアエルロトは鬼神の如し。
翻る黒マントを目で追いながら、クロモドも少し距離を置きながらついていく。

滝に着くと、アエルロトは防具や服を脱ぎ、腰に布を当てて滝壺に飛び込む。
何をする気かと観察していると、頭でも冷やそうというのか、滝に打たれたり単に水浴びをしたり、と避暑目的と思えなくもない。
(あぁ、アエルロトも暑かったんだな…)
などと、彼の行動を額面どおりに受け取り、クロモドはどこかホッとした。
一方、アエルロトは普段なら気付いたはずのクロモドの視線にも気付かず、抑え難き情欲を洗い流せないものかと頭を冷やしに来たのだが、目的を果たすことが出来ずに居た。
目を閉じれば浮かんでは消えるクロモドの肩や二の腕は、触れたらどんな反応が返ってくるのだろうか。
先程のぐったりした姿は、事後の雰囲気に負けず劣らずの色気を感じたが、実際に抱いたら、どのような表情を見せてくれるのか。
どんな声で啼くのか、どんな風に乱れるのか、現時点ではまだ抱くことが出来ないからこそ、妄想は膨らむ一方。
「クロモド…さんっ……。」
意識してしまえば体中の熱が一点に集中し、そこに伸びていく手を自分の意思では止められなかった。
『仕方ない』と割り切り、アエルロトは水から上がり、クロモドを想って一人遊びを始めた。

時折風に乗って、アエルロトの切ない吐息と熱っぽい声がクロモドの耳に届く。
その声は初めて契約満了の日に聞いた、あの声よりも色っぽく、体が震えてしまう。
「あ…アエル、ロト……?」
苦しいのだろうか。
何か出来ることはないかと、クロモドはフラフラと歩み寄るが、次の言葉で硬直した。
「クロモド、さん…っ…!」
胸が締め付けられそうな声色で名を呼ばれ、クロモドは思わず叫んでいた。
「わ、私が何をした!!」
その声で、今度はアエルロトが目を見開いて硬直する。
「私に用があるなら、何故こんな場所に来るんだ…直接言えば済むことだろう?」
そう言いつつ、アエルロトの前髪から雫が落ちるのを見て、クロモドはそれを目で追った。
頬や顎を伝い、それは鎖骨や胸板を通り、割れた腹筋へと流れ落ちる。
放浪騎士とはいえ、物理攻撃はしないはずのアエルロトが予想以上に良い体つきであることに驚きつつ、クロモドは思わず手を伸ばし、アエルロトの腹筋を撫でた。
無論、彼に他意はなく、単に興味を惹かれただけであった。
「あ、あの…クロモドさん?」
戸惑いがちに声をかけるも、クロモドの耳には届いていない様子である。
『そういえば、何かに夢中になると周囲が見えなくなるんでしたっけ…』と思いつつ、アエルロトはクロモドの好きにさせていた。
「…ん………あぁッ……!」
最初はくすぐったいだけだったのに、触れているのが本物のクロモドの手だと思うと、それまで一人遊びをして、昂っていた体はすぐに火が点き、アエルロトの中心は緩く立ち上がる。
それを誤魔化そうと、徐々に前屈みになるのだが、クロモドはお構いなしに撫で続ける。
それはクロモドが意図してやっているわけではないとわかっていても、心底彼に惚れているアエルロトにとっては刺激が強すぎた。
「やっ………止めて…くだ、さいっ……!」
本当はもっと触れて欲しいのだが、か細い理性の糸が焼き切られないうちにクロモドの手首を掴む。
「クロモドさんに触られると、私はっ…!」
まだ抱けないという事実が辛く、アエルロトは目を伏せる。
一方、こういうことに疎いクロモドは『アエルロトは私に触れられるのが嫌なのだろう』と解釈し、彼に背を向けた。
「……悪かったな。」
アエルロトだからこそ、触れてみたかったのだという自身の心に気付かぬまま、関係は少しだけ前進したかもしれないが、二人の距離は縮むどころか少し開くのである―。 



◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆

ようやくカバーシャード編が終わりました!
次からは早く書きたいと思ってたデリオ編に突入です。
デリオはミッチェル暗躍で二人の関係に変化が…
そして、ミッチェルの暴走が地味に怖い私><

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