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タルタロスオンラインにおける萌えを綴る場所。
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機能は時間と寒さに負けたけど、今日はきっちり仕上げたぞ!
というわけで、ロト視点公開です。

聖夜の約束

 

旅を終えた後、クロモドさんに救われたはずだったのに―なぜ、私はここに居るのでしょう…。
ディオネさんやアンジェリナが近くに居ないことを確認し、私は深い溜息をつきました。
ここはマナルス山。
一般人が足を踏み入れる領域ではない、はず。
少なくとも、術法師の職を捨てた私には縁がない場所。
それでもここに居る理由とは―。

 

『そういえば、あんたは一応“放浪騎士”という肩書きだったな。【今の】あんたに帰る場所がないなら、うちに置いてやっても構わんぞ?』
頬を染めつつも、まっすぐ私を見つめてくる視線の強さに心を鷲掴みにされ、惚れ直しました。
いつもとは逆に、差し出された手を取ろうとした時のこと。
アンジェリナが飛んでくるのを視界の端に捉え、なんとなく察しは着いたものの―女性の願いを無碍には出来ないという性格が災いした、とでも言いますか、その……。
『昔の恩人に呼ばれたので、会ってきます。直ぐに戻りますね』と、そう言い残してこちらに来たのですが。
『有事の際に、あなたと同格の術法師が山に居てくれると心強いのです』との言葉が重く圧し掛かり、未だに私をここに縛り付けているのです。
この条件…『私と同格』というのは、ディオネさんなりの優しさなのでしょう。
私が術法師の育成に協力すれば済むことですし、ずっとここに留めておく意思はないのだというニュアンスが読み取れるのも、気のせいではないはず。
直ぐに事情を知ったミッチェルが名乗りを上げたので、私は彼を個別指導することにしました。

 

しかしながら、あれからもう数ヶ月。
こちらからは折を見て手紙を書きましたが、クロモドさんからの返事はありません。
クロモドさんは元気でしょうか。
無理をしていないか、きちんと寝食取っているのか、寂しがって居ないか、私を………今も待っていてくださるのか。
心に思い描くのはクロモドさんの顔ばかり。
先日は『会いたい』という想いが募るあまり、気付けばクロモドさん仕様のプリンを作っていたほどですし。
あぁ、出来上がったプリンは私には甘すぎたので、短期集中特訓のあと、ミッチェルをお茶に誘って食べさせました。
ミッチェルには『いつから甘党になられたのですか?』と聞かれたり、乾いた笑いや溜息しか…。
…まぁ、人も植物も、愛がなければ成長しません。
鞭だけでなく、たまには飴も必要でしょう。
そんな私を見て何かを感じ取ったのか、ミッチェルは真剣な表情で『アリエル様の為にも、一日も早く立派な術法師になりますから、見守っていてください』と訴えてきました。
「期待していますよ。」
営業スマイルで返し、翌日はもっとハードなメニューにしてみたり、そうこうするうちに季節は巡り、お役御免の日を迎えて山を降りる頃にはすっかり冬。
どこもかしこも鮮やかな赤と緑に彩られ、クリスマスが近いことが伺えます。
暦を気にする余裕はなかったから、クリスマスまであと何日かもわかりません。
でも、今一番重要なのはクロモドさんです。
『早く会いたい』と逸る気持ちが私を駆り立て、疲労も感じずにひたすらグリンデルを目指して歩き続け、村に到着した日こそ、クリスマス当日。
彼の家のドアをノックすると『ワン!』という元気な声が聞こえました。
『アルポンスが健康なら、彼もそれほど悪い状態ではなさそうだ』と判断し、ホッとしていると、アルポンスが鍵を開けてくれました。
「ありがとう。」
お礼を言って頭を撫でると、心なしか嬉しそうに見えました。
中に入ってみると、可愛い恋人はソファーで転寝中で。
寂しそうな表情にうっすら涙の跡が残っていて、罪悪感がこみ上げてきます。
額にキスしてから抱き上げて、アルポンスに彼の寝室まで案内してもらい、ベッドに寝かせて布団も掛けておきました。
私がキッチンに向かい、ありあわせの食材で簡単な料理を始めてしばらくした頃、クロモドさんが目を覚ましたようで、物音が聞こえてきます。
慌てた様子の足音が近付いてきたかと思うと、背後から抱きつかれました。
「!?」
「いつだって私を守ってくれた背中、忘れもしない、アエルロトが好む香り―やっぱり、幻じゃない…!…本物の…アエルロト、なんだな?」
そっと手を重ね、撫でながらも私は料理を仕上げました。
「本物ですよ。遅くなってしまって、すみません。」
「私がどれだけ待ったと思っ、て―!!」
雰囲気で彼が泣いているのを感じ、私は控えめにお願いしてみました。
「クロモドさん、このままではお互い顔を見られませんし、なによりこれは、大切な話をする体勢ではありません。一旦放してください。」
すっと離れると、彼は潤んだ瞳で私を睨んできます。
言葉にせずとも雄弁に語りかけてくるその瞳に引き込まれそうになりつつ、私は彼の細い体を抱きしめました。
「クロモドさんを想わない日など、一日もなかった、と告白しましょう。私も…会いたかったですよ…。」
彼の頬を使う涙を指の腹で拭いながら、私も本心を打ち明けると―耳元まで真っ赤になった彼の腕が背中に回されます。
それがなんとも可愛らしい。
じっくり堪能してから食事を済ませ、積もる話をしました。
その際、ディオネさんやミッチェルの事が気になったらしく、『私が頼みを断れない相手=女性』という図式が彼の中で出来上がっているようで。
名前は出してないものの、相手―ディオネさんは美人なのかとか、ミッチェルは元気かとか、色々聞かれましたが―。
ディオネさんが男性だったとしても、私には拒否するという選択肢はなかったのですけど、ね。
何故ならば、『大魔法師クロモドの名にかけて、何十年かかろうと森を元に戻してみせる』と宣言し、それを成し遂げる為に日夜努力してきた彼を、誰より傍で見てきたのだから―。
困難から逃げていては、彼のまっすぐな視線を受け止める事が出来ません。
だから、為すべき事を放棄したり、脱走してでも会いに来る気にもならなかったのです。
その辺をきちんと説明したところ、クロモドさんも解ってくれましたが…。
「せっかくこうして会えたのに、ここに居ない人の話をしても仕方ないでしょう?今はクロモドさんのことだけを考えていたと思っておりますのに…。」
溜息交じりに告げると、恥らいつつも彼も頷いてくれました。
「そう…だな。去年のような夜も悪くはないが、こんな風に二人きりで過ごすクリスマスの方が良い。案外、祈ってみるものだな。」
「……祈り?神に縋ってでも叶えたい望みがあるのですか?」
何気なく聞き返すと、彼はハッとした様子で逆ギレ気味に叫びました。
「…ッ…い、いや、その………元はといえば―結果的に私をほったらかしにしてたアエルロトが悪い!!」
その一言で彼の願いを察し、同時に今日がクリスマスだと知りました。
時計を見ると、まだ0時にはなっていなかったので、クロモドさんの頬に触れながら微笑んでみました。
「メリークリスマス。聖なる日…今日という日は素敵な一日になりましたか?」
「メリークリスマス。言うに及ばず、だろう。ずっと待ち焦がれていた恋人が会いに来ただけで、最高の日だと思えるのだから、な。」
予想以上のカウンターを食らって、思わず頬が熱くなるのを感じます。
「反撃成功、だな。」
「ハハハ、一本取られてしまいましたね。」
ニヤリと笑う恋人を抱き上げ、私は足早にクロモドさんのベッドルームに向かいました。
「ですが、この先は主導権は握らせませんよ?」
腕の中で大げさなくらいにビクッとする彼が可愛くて、理性が持たないかもしれないと思ったのはここだけの秘密です。

 

◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆

と、とりあえずエロ突入寸前までで一時停止。
続きはエロだけで一話、翌朝のシーンで一話の予定。
これならエロ苦手な人は避けて通れるし、本筋はエロシーン
読まなくても楽しめる仕様にするつもりですので…
年内に完結できたら素敵。

っつーか、さっきタイプミスしてドツボにはまった単語も
公開してしまえ!

っ『メリー苦します』
 

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