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タルタロスオンラインにおける萌えを綴る場所。
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地震の話題で騒然としている時ではありますが。
一時でも重い空気を払拭したくて、敢えて出します。



ホワイトデーまではセーフだと割り切ったVDネタ。
うちはディオネさんだったので、ちょっぴり脚色して
活用させていただきました。

チョコレート狂想曲



2/14―それは乙女の決戦の日。
この日もアエルロトは金策に励んでいた。
そんな時に、騒動の種となる一通の手紙が遠征隊に届いたのである。
それを受け取ったクロモドは差出人を確認し、深く考えずにシュバルマンに見せた。

早速手の空いている遠征隊メンバーが集められ、シュバルマンは未開封の封筒を見せながら、全員に問いかけた。
「―で、みんなはこのディオネ…って人に心当たりはないか?名前から判断するに、女性だとは思うんだが。」
「知らなーい。」
ピンコの言葉を受けて、ソーマが続ける。
「うん、ピンコは旅を始めるまで村を出ることもなかっただろうし、仕方ないね。シュバルマンさん、もっと年上の方に聞いた方が良いと思います。」
「そうだな……。」
「私は心当たりがないから、あんたらの知り合いだと思っていた。」
「あー、クロモド先生は引き篭もりだもんねー。」
ニヤニヤ笑うピンコを嗜めるように、イリシアが口を開く。
「ダメよ、ピンコ。」
シュバルマンは彼女をスルーしてルコを見る。
「私も知らない。エルピントス様なら知ってるかも?」
冷静に考えれば、人脈がありそうなのは元騎士のシュバルマン、現役騎士団長エルピントスである。
万年貧乏な遠征隊では『買出しは美人に限る』という暗黙の了解があるので、今は方向音痴なナギに付き添って水薬などの補給をしているはずだ。
二人が戻ったら聞こう、と軽く考え、シュバルマンは追求をやめた。
しかし…彼はこの時点で最も疑わしい人物が誰であるかを失念していたのだ。

二人にも同じ質問をしたが、得られた回答は芳しくない。
どうしたものか、と悩む彼らの沈黙を破ったのはルコだった。
「その手紙、私達に宛てられたものなら、開封すればいいじゃない。中に手がかりがあるかもしれない。」
「そ、そうだな!」
『全員が揃うまで待つ』という選択肢は彼らにはなかった。
謎の人物からの手紙の正体を知りたい、という好奇心には勝てなかったのだ。
慎重に開封すると、ほんのりと甘い香りが漂う。
その手紙を広げ、エルピントスは目を細める。
「綺麗な字ですね。」
「エルピントス様、その手紙には何が…?」
全員の視線を受けながら、エルピントスは黙読する。
「旅の無事を祈る言葉が添えられていますが―これは旧知の仲の相手に対する文面のように思います。」
「え……でも、全員心当たりないんでしょ?案外バルマンが忘れてる昔馴染みとかじゃないの!?」
「お、俺は知らん!」
ますます謎が深まる中、エルピントスは2枚目の便箋に目を通し、封筒の中から甘い香りの主を取り出す。
「あら、綺麗ですねー。それは何ですか?」
エルピントスは歓声を上げるナギに答えた。
「この手紙の贈り主の気持ち、だそうです。」
最初に反応したのはクロモドだった。
「この甘い香り…チョコか?」
「知らない人から、チョコ!?」
遠征隊が騒然とする中、エルピントスは冷静だった。
「皆さん、落ち着いてください。今日はバレンタインデーです。知らない人から来たものなら、義理と認識して良いでしょう。ですが……念の為、もう一度聞きます。男性陣は本当に心当たりがないんですね?」
エルピントスは『義理だろう』と言ったが、そこに添えられていたのは『愛情のチョコレート』。
この中に女性を泣かせている者が居るのなら、罰を与えねばならないと言う使命感に燃えていたのである。
「俺じゃない!」
「僕でもありません。」
「私も違うぞ。しかし、この場には居ないが、もう一人容疑者が居ることを忘れていないか?」
クロモドが溜息混じりに発言した直後、最後の容疑者が帰ってきた。
「ただ今戻りました。」
いつもの笑顔の仮面をつけた彼に視線が集中し、アエルロト以外の全員が思った。
(((((((犯人…!)))))))
「なぁ、アエルロト…。」
「はい?」
「ディオネさんって、お前の知り合いか?」
一瞬間があったものの、彼はあっさり認めた。
「昔お世話になった方です。ディオネさんがどうかしましたか?」



その日、アエルロトは『その気もないのに、気を持たせるような言動は慎め』だの『昔の恋人か』だの『結局これは本命か、義理なのか』だの、色々な意味で胃の痛くなる言葉を浴び続けるのである……。




◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆

予定よりちょっと短くしてみました。
間に合わなかったら元も子もないですし。
一時でも地震の恐怖が和らげば幸いです。

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