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タルタロスオンラインにおける萌えを綴る場所。
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昨日の時点で完成してたのに、エラーでまっちろに…!
だがしかし、その程度ではへこたれません。
白紙状態からでも、修復は可能だから。

予め申し上げますが、罠シリーズとは別設定だと
ご了承ください。
お題は『事故でキスしちゃう二人』です。
『青葉さんが書いたら、どんだけ甘くなるのかな、と
思って』とのことで。
今回も甘く仕上げてみましたよ…フフフ。

では、続きをどうぞー。
甘く柔らかく



それはある日の昼下がりのこと。
雲ひとつなく気持ちの良い青空を仰ぎ見て、クロモドは大きく伸びをする。
こんな日には、外に出るのも悪くない。
『アエルロトでも誘おうか』などと思いつつ部屋を出ると、アエルロトが小さな紙切れを手に、どこかに向かう様子だった。
『用事があるなら仕方ない』と、クロモドは一人で外に出ようとした。
しかし、アエルロトはそれを見逃さず、クロモドを呼び止める。
「クロモドさん、今日はどちらへ?」
「…散歩だ。」
振り向きもせずに答えると、アエルロトの気配が近付いてくる。
「あぁ、特に用事はないのですね。それなら…少々お付き合いいただけますか?―明日のおやつはクロモドさんがお好きなものにしますから。ね?」
いつの間にか距離を詰められ、後半は吐息がかかるほどの至近距離で囁かれたものだから堪らない。
「っ……!?」
アエルロトの低くて優しい声がクロモドから冷静な思考を奪って行き、自然と頬や耳が熱くなる。
拒否する理由もないので、クロモドは思わず耳に触れながら答える。
「いいだろう、つきあってやらんでもない。」
それを聞き、アエルロトは満面の笑みでクロモドの手をとる。
「ありがとうございます。では、行きましょうか。」
ごく自然に指が絡め、二人は恋人繋ぎで宿を出る。

二人の手元に注目した村娘たちが『あの美形のお兄さん達、どういう関係かしら』などと囁き合っていることに気付きもせず、彼らは談笑しながら歩いて行く。
「どこに行くんだ?」
「まずは雑貨屋で水薬を補給して、次に卵と牛乳、バニラエッセンスを。」
(ふむ…プリン、か?)
アエルロトの絶品スイーツを思い描き、涎が出そうになるのを抑えつつ、クロモドはにやける口元を隠すのに必死だった。
その時―。
鬼ごっこに興じていた子供が、前方不注意でクロモドに体当たりする。
『うおっ』と叫び、バランスを崩すクロモドの腕を引いて抱きよせるように庇いつつ、アエルロトは咄嗟に受け身をとった。
アエルロトの上にクロモド、更にその上に子供が重なって倒れこむ。
子供はすぐに起き上がると『お兄さん達、ごめん!』と叫び、走り去る。
何が起きたのかわからぬまま、唇に柔らかいものが触れていることに気付いたクロモドが恐る恐る目をあけると―。
目を見開いたまま固まっている様子のアエルロトの顔があった。
(ち、近い!!)
思考停止状態に陥るも数秒。
その柔らかいものがアエルロトの唇であると察するや、慌てて体を起こす。
しかし、今の体勢がクロモドがアエルロトを押し倒したように見えなくもないと気付き、真っ赤になりつつアエルロトの手を振り解いて走り去る。
その一部始終を見ていた村娘たちが黄色い悲鳴を上げていたが、二人の耳には届かなかった。

一方、アエルロトはクロモドが涙目だったことにも気付かず、呆けていた。
(柔らかかった……)
おもむろに上体を起こし、唇に触れてみる。
(先程まで、ここにクロモドさんの唇が…)
出来ることなら、もう一度触れたい。
そう思わせるほど、甘い感触だった。
そこでようやくアエルロトはクロモドを追わねばならないと気付き、慌てて彼を探す。
「クロモドさん!」

アエルロトがクロモドを探して村中を走り回っている頃、クロモドは村外れの大木の下に蹲っていた。
(初めてだったのに、あんな―不本意な形でっ…)
深い溜息を吐く。
(出来ればもう一度…きちんと互いの意思を確認した上で、したい……)
散々探し回って、ようやく見つけたと思ったら、クロモドの周囲に重苦しい空気が漂っているのを感じ、アエルロトの表情が曇る。
(これは…『事故』とはいえ、男同士でキスしてしまったことが原因でしょうか…それとも、相手が私だったから―?)
日も傾いてきた上、風も出てきたので、早めにクロモドを宿に連れて行かねばなるまい。
なんとか落ち着かせようと、アエルロトは優しくクロモドに声を掛ける。
「ここに居られたのですね。いつまでもここに居ると、風邪を引きます。今日はもう帰りましょう。」
そう言って手を差し伸べると、クロモドは素直にアエルロトの手を取る。
「…ん。頭を冷やすには十分な時間だったが、少し遅かったな。」
そう言いつつ、また手を繋いで宿に戻る。

宛がわれた部屋に入ると、アエルロトは生クリームを乗せたココアをクロモドの前に置き、自分はコーヒーをすする。
そんなアエルロトの口元や喉の動きに目を奪われつつ、クロモドは一口ココアを飲んだ。
特にクロモドの視線には敏感な彼が気付かないはずもなくアエルロトはクロモドに問う。
「私の口元ばかり見ておられるようですが…。何か気になることでも?」
「っ…!」
良くも悪くも意識してしまっているのだろうと思いつつ、アエルロトは彼の心理的負担を軽くしてやろうと思って微笑む。
「先程の件でしたら『事故』ですから、ノーカウントですよ。」
その言葉をどう解釈したのか、途端にクロモドの表情が明るくなった。
「そう、だな。初めてだったが、互いの意思を確認していなかったのだ、あんなものは数のうちに入らない。言われてみれば当然のこと…なぜ気付かなかったんだ…。」
そんな呟きをキャッチし、アエルロトは目を丸くする。
(おや。それではまるで―)
「きちんと意思を確認した上であれば、なんら問題がなかったように聞こえるのは気のせいでしょうか…。」
「……………なぜ、聞き取らなくて良い事まで気付くんだ。」
「ハハハ。あなたの声や言葉は、一言一句聞き漏らしてはならない、と思っているからでしょう。私は―」
アエルロトはそこで一度言葉を切り、クロモドにしか見せない優しい微笑で続ける。
「あなたが好きですよ、クロモドさん。」
「……っ……!?」
驚愕に見開かれた瞳が戸惑いに揺れつつ、次第に目許が赤く染まっていく。
「わ……私、も……あんたが好きだ…。」
その言葉を聞き、アエルロトが両手でクロモドの頬を包み込む。
「では、もう一度―今度は明確な意思を持って、唇に触れても良いですね?」
有無を言わさぬ強引な物言いだが、クロモドは真っ赤になって微かに頷くのみ。
「目を閉じて―」
歌うような声に誘われるまま、クロモドは目を閉じる。
アエルロトは軽く触れるだけのキスを繰り返し、可愛い恋人を抱きしめた。

数日後、キスの回数の多さから、クロモドの唇が荒れたのは別のお話。



◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆

一度まっさらな状態に戻った為、その気になれば全く同じに
再現できるけど、より甘くしてみました!
このネタ、振られた瞬間から様々な情景が浮かんできたんですが、
こんな感じでいかがでしょうか。

昨日の時点で出来てたけど、不測の事態で消えた、という
事情を知る方から『昨日の日付で出していいと思うよ』との声が
あった為、敢えてそうしてみる…

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