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タルタロスオンラインにおける萌えを綴る場所。
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あぁ、これでやっと…クリスマスが終わる…

タイトルは字数を揃えておきたいが為の苦肉の策。
内容もわかりやすいのがなんともいえない…
では、クリスマス小話完結編をどうぞー。

聖夜⇒蜜月



久々に身も心も満たされ、長くて濃厚な夜が明けた。
起きろと言わんばかりに刻を告げる鳥の声も届かず、二人は夢の中。
クロモドが目を覚ましたのは、完全に日が昇って数時間後のことだった。
裸眼なので状況が良くわからないのだが、いつもよりも温かく、心地よいものに包まれている気がする。
彼は普段眼鏡を置いている位置に手を伸ばそうとして、激痛に顔を顰めた。
「……っ…!」
伸ばしかけた手は力なく落ちた。
昨日の記憶を辿って原因を考えてはみるが、やはり心当たりがない。
「あとでアエルロトに診てもらおう…。」
何故ならば、アエルロトはこれまでクロモドの体調を最優先し、彼の腰に負担をかけないように加減していたのだから―。
しかしながら、これでは思うように動けないのも事実である。
『昔の恩人に呼ばれたので、会ってきます。直ぐに戻りますね』の一言で、季節が変わるほどの期間を待たされたのだ。
それほど彼の力を必要とするものが居るのであれば、また直ぐにどこかに行ってしまうかもしれない。
それならば、今日だけは思う存分甘えても許されるだろうか。
そんなことを考えていると、アエルロトが眉間にしわを寄せ、もぞもぞと動く。
起きたのかと思いきや、彼は目を閉じたままクロモドを抱き直すと、落ち着いた様子で寝息を立て始める。
先程よりも強く拘束され、触れた肌から伝わってくるアエルロトの心音と温もりはクロモドにささやかな幸福感をもたらし、クロモドもまた目を閉じる。



結局、次に目を覚ましたのは昼前だった。
『甘えてくる年上の恋人』が今年のプレゼントなのか、と思いつつアエルロトはプレゼントを出すタイミングを計りながらも甲斐甲斐しくクロモドの世話を焼く。
一方、クロモドも『アエルロトの滞在期間はどれくらいなのか』を気にしつつも、怖くて聞けずに悶々としていた。
そんな二人が選んだタイミングは午後のお茶の時間。
クロモドは暖炉の傍で寛ぎつつ、アエルロトがお茶の用意をするのを眺めていた。
向かい合わせに座り、一呼吸置いてから二人は口を開く。
「アエルロト。」
「…クロモドさん。」
僅差でクロモドの方が早かったので、アエルロトはクロモドに先を譲る。
「……その…今回は、いつまでここに居られる?」
『離れたくない』と訴える熱い眼差しがアエルロトの胸を熱くする。
「ハハハ。その件ですが…『“今の”私に帰る場所がないのなら、ここに置いてやる』という言葉は―今も有効でしょうか。実は、他に行く当てがないのです。」
その一言はクロモドにとっては予想外であったが、思い掛けないプレゼントそのもの。
潤んだ瞳を見せまいと俯きながら、言葉を返す。
「――今後は『放浪騎士』ではなく、大魔法師専属の騎士とでも名乗るが良い。二度と放浪はさせないから覚悟しておけ。」
「ありがとうございます。」
騎士とは守るべき主君や忠義、信念の為に戦うもの。
もう剣を持つ必要がないとしても、その役目を与えられたことを嬉しく思いながら、アエルロトはクロモドの頬を撫でる。
「もう一度誓いましょう。私は二度と、クロモドさんに寂しい思いはさせません。愛してますよ。」



こうして二人はグリンデルで穏やかな日々を過ごすことになるのである。



◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆

二ヶ月遅れてようやく完結。
この胃腸の弱さが憎い…!!
どんだけ甘くしてやろうかとあれこれ悩んだのも敗因ですが…

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