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タルタロスオンラインにおける萌えを綴る場所。
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感想なども頂いてますが、うっかりネタバレの危険があるので、
返信は先延ばしさせて頂きます。
 
 桜との対話
 
翌日はアエルロトを桜の元に案内し、二人で桜に愛情ある言葉をかけた。
前日と比較しても綻びつつある蕾は明らかに増えており、二人は桜の香りの中、のんびりと寛ぎと癒しの時間を過ごした。
そのことをアエルロトに話すと、彼は微笑みながらクロモドの頬を撫でる。
「きっと、桜も嬉しいのでしょう。ここには他に仲間の樹はありませんが、こうして気にかけて手入れをしてくれる人も居る事ですし。」
クロモドは頬を染めつつ視線を逸らす。
「…っ…し、しかし、桜が嬉しいだなどとっ…。」
思うはずがない、とでも言いたげな彼を制し、アエルロトは言葉を続けた。
「いいえ、植物にも心はあります。人も植物も同じですよ?どちらも愛情がなければ育ちませんから。この樹も、クロモドさんの愛情に応えようと頑張っているのですよ。」
『ね?』と言って桜を見上げると、風もないのに桜の香りが強くなる。
「そう……なの、か?」
小首を傾げながら問いかける彼が可愛くて、アエルロトは思わずクロモドを抱きしめた。
「そういうものです。」
その時、一輪だけ桜が咲いた。
一際強くなった香りを辿ってそれに気付いた二人は、満面の笑みに変わる。
二人で幹に触れながら、それぞれの感想を口にした。
「初めて見ましたが、可憐で可愛らしい花ですね。」
「ふむ…思っていたよりも綺麗だな。早く満開になれば良いのに。」
その言葉を聞き、アエルロトは苦笑した。
「ハハハ。それは流石に急ぎすぎでしょう。私は少しでも長く、今の桜を眺めていたいですね。花が咲いたら、後は散るだけ…次の花は一年かけて、またこの時期にならないと咲きませんから。」
「…それもそうか。」
クロモドは一度言葉を切り、桜を見上げて続ける。
「来年も咲くように世話をしてやるから、散り急ぐ必要はないぞ。」
『良かったですねぇ』などと桜に微笑みかけるアエルロトを見て赤面しつつ、クロモドは『満開になる頃に、また二人で来る』と声を掛けて帰路に着いた。
 

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